UBI研究機構 資料データベース / 全資料 58 RESOURCES
DATABASE / 全58件 / 5 of 6

資料データベース

実論文・研究資料の要約を、原題・著者・出典とともに掲載しています。各ページでは研究の方法、結果、日本へ当てはめる際の注意点を確認できます。

58RESOURCES / 収録数
041 論文消費・家計日本全国 / 給付時期の差を用いたイベントスタディ・個人固定効果 / 2021 10万円の特別定額給付金を誰が使ったか — 家計簿アプリによる自然実験 Michiru Kaneda(Money Forward Lab.), So Kubota(早稲田大学), Satoshi Tanaka(クイーンズランド大学) 日本政府は2020年、新型コロナ危機への対応として、年齢、所得、就業状態、国籍を問わず住民1人につき10万円を支給する特別定額給付金を実施した。世帯主の口座へ家族分をまとめて振り込む、全国規模の一時的な無条件給付である。本研究は、給付がどれほど消費に回り、どの世帯が強く反応したかを、高頻度の口座・決済記録から検証した。 042 論文子育て・子ども日本全国 / 一階差分操作変数法・児童手当制度改革の準実験 / 2021 児童手当による所得増は教育投資と学力を変えるか — 日本の制度改革 Michio Naoi(慶應義塾大学), Hideo Akabayashi(慶應義塾大学), Ryosuke Nakamura(福岡大学), Kayo Nozaki(高知大学), Shinpei Sano(千葉大学), Wataru Senoh(国立教育政策研究所), Chizuru Shikishima(帝京大学) 世帯所得と子どもの学力には正の相関がある。しかし親の能力、教育志向、家庭環境などが所得と学力の双方に影響するため、所得そのものの効果とは限らない。本研究は2010〜2012年の児童手当制度の大幅な変更を使い、外生的な可処分所得の変化が教育支出と子どもの認知能力を変えたかを調べた。 043 論文労働供給日本全国 / 所得制限を用いた回帰不連続デザイン / 2022 児童手当の削減は母親の就業を増やすか — 所得制限復活の回帰不連続分析 Shinsuke Asakawa(大阪大学・日本学術振興会), Masaru Sasaki(大阪大学・IZA) 児童手当は子育て費用を軽減する一方、労働以外の所得を増やすため、母親の就業を抑える所得効果を持ち得る。日本では2010年に所得制限が撤廃されたが、財政上の理由から2012年4月に再導入された。所得基準を超えた世帯では、月額給付が子ども1人当たり1万円または1万5千円から5千円へ減った。 044 論文消費・家計日本全国 / 制度改正を用いた家計資産回帰・ライフサイクルモデル検証 / 2015 児童手当は貯蓄されるのか — 日本の家計資産と流動性制約 Melvin Stephens Jr.(ミシガン大学・NBER), Takashi Unayama(財務省財務総合政策研究所) 児童手当は現在の子育て費用に使われることも、教育費や将来の支出に備えて貯蓄されることもある。本研究はライフサイクル・恒常所得モデルから、受給済み給付と将来受け取る給付が現在の金融資産にどう現れるかを導き、日本の長期データで検証した。 045 論文労働供給ドイツ全国 / 事前登録RCT・行政記録連結・追跡調査 / 2025 月1,200ユーロの基礎所得は働き方を変えたか — ドイツ3年間RCT Sarah Bernhard(IAB Nürnberg), Sandra Bohmann(DIW Berlin・LMU Munich), Susann Fiedler(WU Wien), Maximilian Kasy(University of Oxford), Jürgen Schupp(DIW Berlin・FU Berlin), Frederik Schwerter(Frankfurt School of Finance and Management・University of Cologne) 無条件の基礎所得は、所得効果によって労働を減らすとも、よりよい仕事を探す余地や交渉力を与えるとも論じられる。著者らの探索・マッチングモデルでも、留保賃金、失業期間、雇用率、賃金と職場アメニティの配分への影響は理論的に一意に決まらない。高所得国で十分に大きく長期の基礎所得を無作為に給付し、自己申告だけでなく行政記録で労働反応を測った証拠は限られていた。 046 論文健康・幸福度ドイツ全国 / 事前登録RCT・給付終了18か月後追跡 / 2026 月1,200ユーロの基礎所得は心の健康を改善したか — ドイツ3年間RCT Sandra Bohmann(LMU München), Susann Fiedler(WU Wien), Maximilian Kasy(University of Oxford), Jürgen Schupp(DIW Berlin・FU Berlin), Frederik Schwerter(Frankfurt School of Finance and Management・CESifo・IZA) 低所得とメンタルヘルスの悪化は高所得国でも関連する。しかし近年の高所得国における現金給付RCTでは、心理的厚生の改善が一貫して確認されていなかった。著者らは、給付が少額・短期で、将来の安心や自ら生活を変える主体性を生むには不足していた可能性に注目した。無条件・定期的・個人単位で十分に大きな給付が、精神健康、人生の目的、生活満足度を改善し、終了後にも残るかを検証した。 047 論文労働供給スペイン・バルセロナ市の低所得10地区 / 多群RCT・行政記録連結 / 2025 最低所得保障は就業を減らすか — バルセロナB-MINCOME実験 Timo Verlaat(Utrecht University・CPB), Federico Todeschini(Universitat Pompeu Fabra), Xavier Ramos(Universitat Autònoma de Barcelona) 低所得世帯への最低所得保障は貧困を緩和する一方、稼得に応じて給付を減らすため就業の見返りを小さくする。所得効果と給付の逓減による代替効果を分け、減額率や就労支援の設計が反応を変えるかを同一実験で調べた証拠は少ない。本研究は、バルセロナ市のB-MINCOMEを用いて、給付全体の効果、100%減額と25〜35%減額の差、社会的活動支援の有無を比較した。 048 論文労働供給オランダ・ユトレヒト市 / 事前登録RCT・行政記録による終了1年後追跡 / 2026 就労義務を外すと就業は減るのか — オランダ社会扶助RCT Timo Verlaat(Utrecht University・CPB), Stephanie Rosenkranz(Utrecht University), Loek Groot(Utrecht University), Mark Sanders(Maastricht University) 社会扶助では、求職、報告、面談を給付条件とし、不履行に制裁を科す制度が一般的である。標準理論では義務を外すと求職努力が減る一方、自律性が内発的動機を高めたり、急いで不適切な仕事に就くことを避けたりする可能性もある。既存研究は失業保険の監視や制裁を多く扱うが、長期受給者への「義務免除と自律性」を直接無作為化した証拠は乏しかった。 049 論文政治・社会オランダ・ナイメーヘン市 / RCT・2時点パネル回帰・媒介分析 / 2022 福祉の条件を緩めると政府への信頼は高まるか — オランダ・ナイメーヘン実験 János Betkó, Niels Spierings, Maurice Gesthuizen, Peer Scheepers(Radboud University) 福祉国家の大きさや普遍性と社会的・政治的信頼には関連があるが、制度を経験した個人の信頼が設計によって変わるかは因果的に分かっていなかった。選別的な給付では、受給者が資格や努力を証明させられ、行政との相互不信を生む可能性がある。本研究は、求職義務・監視・制裁を緩め、受給者への信頼と自律性を強調した制度が、市政府、国政府、一般他者への信頼を変えるかを検証した。 050 論文制度設計・財源フィンランド、フランス、イタリア、英国 / 制度分析・静学的マイクロシミュレーション / 2017 既存給付を基礎所得へ置き換えると何が起きるか — 欧州4か国比較 James Browne(OECD), Herwig Immervoll(OECD・IZA) 基礎所得は取りこぼしをなくし、条件や世帯構成に依存しない支援を提供できる。一方、意味のある額を全員に払うには、既存給付の削減と増税が必要になる。単純な「給付額×人口」では、国ごとの社会保険、最低所得保障、税控除、給付の未受給を反映できない。本研究は制度の異なる欧州4か国を同じ設計で比較し、既存制度を基礎所得へ置き換える直接的な財政・分配効果を分解した。