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資料データベース
実論文・研究資料の要約を、原題・著者・出典とともに掲載しています。各ページでは研究の方法、結果、日本へ当てはめる際の注意点を確認できます。
58RESOURCES / 収録数
021
論文途上国の給付
無条件現金給付の短期効果 — ケニア農村の家計・心理・ストレス
Johannes Haushofer(プリンストン大学・Busara Center for Behavioral Economics), Jeremy Shapiro(Busara Center for Behavioral Economics)
現物・技能・条件付き給付が広く用いられる一方、貧困世帯へ使途を指定せず現金を渡した場合に、消費、投資、健康、家庭内関係や心理状態がどう変わるかについて、当時の厳密な証拠は限られていた。とくに、受取人の性別、分割か一括か、金額の大小を無作為に変えた比較や、自己申告の幸福度と生理指標を同時に測る研究は少なかった。
022
論文子育て・子ども
現金か条件か — マラウイの就学給付実験
Sarah Baird(ジョージ・ワシントン大学), Craig McIntosh(カリフォルニア大学サンディエゴ校), Berk Özler(世界銀行)
条件付き現金給付は就学や受診を促す政策として普及したが、成果が現金そのものによるのか、条件による行動誘因なのかを直接分けた証拠は少なかった。条件を満たせない最も脆弱な人が給付から外れ、社会保護上の効果を失う可能性もある。
023
論文労働供給
「給付は人を怠惰にする」のか — 6か国7実験の再分析
Abhijit V. Banerjee(MIT), Rema Hanna(ハーバード大学), Gabriel E. Kreindler(MIT), Benjamin A. Olken(MIT)
途上国で現金給付が急拡大する一方、「給付を受けると働かなくなる」という見方が政策支持を弱めてきた。個別研究にはnull結果が多いが、制度、対象、労働指標が違うため、共通定義で比較した全体像は不明瞭だった。
024
論文政治・社会
普遍的基礎所得か対象別給付か — 途上国の制度選択
Rema Hanna(ハーバード大学), Benjamin A. Olken(MIT)
所得捕捉が弱い途上国では、税記録で貧困層を特定できず、資産などから所得を予測する代理資力調査が使われる。そこには非貧困層を含める「包摂誤り」と、貧困層を落とす「排除誤り」が生じる。UBIは排除誤りと申請負担をなくせるが、固定予算では一人当たり給付が小さくなる。
025
論文子育て・子ども
児童給付は子どもの福祉を改善するか — カナダの制度拡充
Kevin Milligan(ブリティッシュコロンビア大学), Mark Stabile(トロント大学)
家族所得と子どもの発達には相関があるが、親の能力、環境、健康などが同時に違うため、所得そのものの因果効果は判別しにくい。カナダでは1990年代後半以降、連邦・州の児童給付が州、年、子どもの人数によって異なる形で拡充された。
026
論文労働供給
小さな町のベーシックインカム — MINCOMEと労働参加
David Calnitsky(マニトバ大学), Jonathan P. Latner(ブレーメン国際社会科学大学院)
北米の最低所得保障実験は個人や世帯を無作為化し、主に労働時間を測ってきた。しかし全国制度では、周囲の人も保障を得ることで、働き方の規範、雇用主の反応、仕事の分け合いなどが変わり得る。孤立した受給者の実験では、この地域文脈を捉えられない。
027
論文政治・社会
福祉より「普通」だった — MINCOME、スティグマ、地域経験
David Calnitsky(マニトバ大学)
対象を狭く絞る福祉制度は受給者を「支援に値する人/値しない人」に分け、申請回避、社会的孤立、政治的脆弱性を生むと論じられてきた。しかし所得審査を残しながら地域全体が参加可能な最低所得保障が、従来型福祉と異なる意味を持つかについて、実験参加者自身の記録はほとんど分析されていなかった。
028
論文健康・幸福度
ベーシックインカムは健康を改善するか — インド農村の実験
Simon Beck, Anni-Maria Pulkki-Brännström, Miguel San Sebastián(ウメオ大学)
所得は栄養、住居、衛生、医療利用、ストレスを通じて健康へ影響し得る。しかし途上国の現金給付研究では条件付き制度が多く、地域の全住民へ個人単位で無条件給付するベーシックインカムの健康効果はほとんど検証されていなかった。
029
論文子育て・子ども
出生時からの月次無条件給付 — 家族の時間と子ども向け支出
Lisa A. Gennetian(デューク大学)ほか6名
現金を無条件に渡したとき、低所得の親が子どもへ時間と金銭を投じるのか、就労を減らすのかは、米国の児童貧困政策で中心的な論点である。税額控除や現物給付では現金所得と制度条件の効果を分けにくく、出生直後から予測可能な月次所得だけを無作為化した証拠は乏しかった。
030
論文子育て・子ども
4年間の月次無条件給付と子どもの脳活動 — BFY追跡研究
Sonya V. Troller-Renfree(コロンビア大学)ほか12名
家庭所得と子どもの脳構造・脳活動には多くの相関が報告されるが、所得以外の家庭・地域要因が混ざるため、所得そのものの因果効果は分からない。BFYは出生直後からの月次無条件給付を無作為化し、この問いを検証できる。
