UBI研究機構 資料データベース / 全資料 58 RESOURCES
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資料データベース

実論文・研究資料の要約を、原題・著者・出典とともに掲載しています。各ページでは研究の方法、結果、日本へ当てはめる際の注意点を確認できます。

58RESOURCES / 収録数
011 論文労働供給米国(アラスカ州) / 準実験 / 2022 恒久的な現金給付は雇用を減らすか — アラスカ恒久基金の労働市場効果 Damon Jones(シカゴ大学), Ioana Marinescu(ペンシルベニア大学・NBER) 無条件の現金給付は、働かなくても得られる所得を増やすため、余暇への需要を通じて労働供給を減らす可能性がある。宝くじ当選者や1970年代の負の所得税実験はこの「所得効果」を測ってきたが、対象が人口の一部であったり、実験期間が数年で終わったりする。そのため、地域の全員が長期間受給したとき、消費増による労働需要まで含めて雇用がどう変わるかは十分に分かっていなかった。 012 論文労働供給イラン / 準実験 / 2018 全国民への現金給付は労働を減らしたか — イランの大規模制度からの証拠 Djavad Salehi-Isfahani(バージニア工科大学・Economic Research Forum), Mohammad H. Mostafavi-Dehzooei イラン政府は2010年12月、パンとエネルギーへの巨額の価格補助を縮小し、その補償として一人当たり同額の現金を世帯の銀行口座へ振り込み始めた。2011年には75百万人超、人口の95%以上が受給し、総額はGDPの6.5%、一人当たり給付は家計の一人当たり中央値所得の約28%に達した。 013 論文制度設計・財源先進国(主に米国) / レビュー / 2019 米国と先進国のユニバーサル・ベーシックインカム Hilary W. Hoynes(カリフォルニア大学バークレー校・NBER), Jesse Rothstein(カリフォルニア大学バークレー校・NBER) 先進国のUBI論には、技術進歩による雇用喪失への備え、賃金停滞と格差への対応、複雑で捕捉率の低い社会保障の簡素化、受給に伴うスティグマの除去など、異なる目的が混在している。目的が違えば必要な給付額、既存制度との関係、評価すべき効果も違う。 014 論文途上国の給付途上国 / レビュー / 2019 途上国におけるユニバーサル・ベーシックインカム Abhijit Banerjee(MIT・NBER), Paul Niehaus(カリフォルニア大学サンディエゴ校・NBER), Tavneet Suri(MIT・NBER) 途上国でUBIを考えるとき、論点は「貧困層の所得を増やすべきか」だけではない。受給者が現金を酒・たばこなどへ浪費するのか、労働をやめるのか、現金が投資と所得成長につながるのか、限られた予算を全員へ配るより貧困層へ絞るべきか、という疑問が政策選択を左右する。 015 論文制度設計・財源国際 / 理論 / 2019 ユニバーサル・ベーシックインカムの理論 — 望ましさと実現可能性 Maitreesh Ghatak(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス), François Maniquet(ルーヴァン・カトリック大学CORE) UBIには政治的に左右双方から支持があるが、「無条件で全員に同額を配る」ことが、どの正義観から望ましいのかは自明でない。同じ低所得でも、低賃金、働く時間、資産所得、家族所得、健康、本人の選好など原因が異なる。政策がそれらを区別できるなら、同じ扱いが公平とは限らない。 016 論文健康・幸福度カナダ(マニトバ州ドーファン) / 準実験 / 2011 貧困のない町 — カナダの最低所得保障実験が健康に与えた効果 Evelyn L. Forget(マニトバ大学) カナダ連邦政府とマニトバ州は1974〜1979年、負の所得税方式の最低所得保障実験MINCOMEを実施した。なかでも人口約1万人のドーファンと周辺農村は、所得要件を満たせば地域の全世帯が参加できる「飽和地域」だった。しかし政権交代と予算不足により、当時収集したデータはほとんど分析されないまま保管された。 017 論文子育て・子ども米国(ノースカロライナ州西部) / 準実験 / 2010 親の所得と子どもの成果 — カジノ配当を利用した準実験 Randall K. Q. Akee(IZA), William Copeland(デューク大学), Gordon Keeler(デューク大学), Adrian Angold(デューク大学), E. Jane Costello(デューク大学) 親の所得が高い家庭ほど子どもの教育や成人後の成果が良いことは知られている。しかし、親の能力、教育、健康、価値観などが所得と子どもの成果の双方に影響するため、単純な相関から「所得そのもの」の効果を分離することは難しい。先行研究は操作変数や家族内比較を用いてきたが、結論は一致していなかった。 018 論文労働供給スウェーデン / 準実験 / 2017 富は労働供給をどれだけ減らすか — スウェーデンの宝くじによる自然実験 David Cesarini(ニューヨーク大学), Erik Lindqvist(ストックホルム商科大学), Matthew J. Notowidigdo(ノースウェスタン大学・NBER), Robert Östling(ストックホルム大学) ベーシックインカムを含む不労所得は、生活のために働く必要を弱め、労働供給を減らす可能性がある。しかし通常の資産額は能力、節約志向、家族背景と結び付くため、富と就労の相関から純粋な所得効果を推定できない。過去の宝くじ研究は標本が小さく、当選者の自己申告や追跡脱落にも左右されていた。 019 論文健康・幸福度高所得国・上位中所得国 / レビュー / 2020 ベーシックインカムに似た介入の公衆衛生効果 — スコーピングレビュー Marcia Gibson(グラスゴー大学), Wendy Hearty(Improvement Service), Peter Craig(グラスゴー大学) 所得は健康の重要な社会的決定要因であり、無条件の基礎所得はストレス、栄養、住居、雇用、ケア、教育を介して健康を変え得る。一方、普遍的、恒久的、無条件、個人単位、生活可能額という条件をすべて満たす制度の評価研究は存在しなかった。短期・少人数の実験から全国的な恒久制度の効果を直接推測することも難しい。 020 論文途上国の給付ケニア(シアヤ郡) / クラスターRCT / 2022 現金給付の一般均衡効果 — ケニアの大規模実験 Dennis Egger(カリフォルニア大学バークレー校), Johannes Haushofer(ストックホルム大学・Busara Center), Edward Miguel(カリフォルニア大学バークレー校・NBER), Paul Niehaus(カリフォルニア大学サンディエゴ校・NBER), Michael W. Walker(カリフォルニア大学バークレー校) 無条件現金給付の研究は受給世帯の消費、資産、健康、労働などを多く調べてきた。しかし、受給者が地元で支出すれば企業売上、賃金、非受給者の所得が動き、逆に需要増で物価が上がる可能性もある。通常の世帯単位RCTは対照村への波及を無視しやすく、地域経済全体の効果や財政乗数を直接推定できなかった。