UBI研究機構 資料データベース / 全資料 58 RESOURCES
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資料データベース

実論文・研究資料の要約を、原題・著者・出典とともに掲載しています。各ページでは研究の方法、結果、日本へ当てはめる際の注意点を確認できます。

58RESOURCES / 収録数
051 論文制度設計・財源米国 / 理論・政策史レビュー / 2003 負の所得税はなぜ米国福祉の基準点になったか — 理論と政策史のレビュー Robert A. Moffitt(Johns Hopkins University・NBER) Milton Friedmanが1962年に提案した負の所得税(NIT)は、所得ゼロ時に最低所得を保障し、稼得が増えるほど給付を一定率で減らす。現金で支給し、所得だけを基準に複数福祉を統合し、100%の給付減額より働く見返りを残す構想だった。しかし米国では純粋なNITは成立せず、就労要件、対象別給付、現物給付が拡大する一方、勤労所得税額控除(EITC)が別のNIT型制度として巨大化した。本稿はその理論的争点と1970年代以降の政策史を整理する。 052 論文政治・社会日本 / 規範理論・概念分析 / 2024 無条件・一律のベーシックインカムはなぜ正当化できるか — 平等な尊重からの擁護 阿部崇史・榊原清玄 分配的平等主義には、なぜ特定の分配状態を望ましいとみなすのかという正当化上の課題がある。関係論的平等主義からは、財の分布だけを直接評価する議論は恣意的になり得るとの批判が提示されてきた。本稿はこの問題に対し、「道徳的行為者への平等な尊重」という理念から分配原理を導き、その原理として無条件かつ一律給付のベーシックインカム(BI)を正当化できるかを検討する。 053 論文健康・幸福度日本 / 理論・静学的厚生分析 / 2022 医療保険をベーシックインカムへ置き換えると厚生は改善するか — 健康資本モデルによる分析 渡辺雅仁(東京国際大学) ベーシックインカム(BI)を既存の社会保障制度へ追加するのか、制度の一部または全部と置き換えるのかで、その厚生効果は大きく変わる。失業保険や生活保護とBIを比較する理論研究はあるが、健康リスクと医療保険に焦点を当てた経済理論研究は限られていた。 054 論文政治・社会日本 / 修士論文・規範的制度分析 / 2023 ベーシックインカムはどのような社会を目指すのか — 実質的自由と交差点型社会 平井智子(三重大学大学院人文社会科学研究科) 日本のBI論議では、財源、消費刺激、少子化、就労意欲など個別の政策効果が中心になりやすい。しかし、個々の目標には対象を絞った政策の方が安価で効率的に見えるため、BIを単なる政策手段としてだけ正当化するのは難しい。本稿は、BIがどのような社会理念を実現するための制度なのかという原理的議論を深める必要があるとする。 055 論文AI・経済米国 / オンライン求人票を用いた事業所パネル回帰・産業/職業集計分析 / 2022 AI導入は雇用をどう変えたか — 米国オンライン求人の実証 Daron Acemoglu(MIT・NBER), David Autor(MIT・NBER), Jonathon Hazell(London School of Economics), Pascual Restrepo(Boston University・NBER) AIが人間の仕事を代替するのか、生産性を高めて新しい仕事を生むのかについては、企業単位の採用データが乏しく、議論が先行していた。本研究は、事業所がAI人材を募集するという「足跡」からAI利用を捉え、AIを使いやすい業務構成だった事業所で、求人、必要技能、産業・職業全体の雇用と賃金がどう変化したかを検証した。 056 論文AI・経済世界17地域(UBI分析は米国) / 世代重複型・計算可能一般均衡モデルによる政策シミュレーション / 2021 自動化の利益をUBIで共有できるか — 世界17地域の一般均衡シミュレーション Seth G. Benzell(MIT Initiative on the Digital Economy), Laurence J. Kotlikoff(Boston University・NBER), Guillermo LaGarda(Inter-American Development Bank・Boston University), Victor Yifan Ye(Boston University) 自動化は資本集約度と高技能労働への需要を高める一方、低技能労働の賃金や労働分配率を下げる可能性がある。しかも技術を早く採用できる国へ資本が移れば、国内の賃金格差だけでなく国家間の所得格差も広がり得る。本研究は、企業が採算に応じて自動化技術を採用する世界経済モデルを構築し、自動化の利益をUBIで分配すれば各世代の損失を防げるかを数値的に検討した。 057 論文AI・経済フランス、ドイツ、イタリア、ルクセンブルク / 行動マイクロシミュレーション・数値最適化・労働市場均衡分析 / 2022 ロボット経済に最適な税・給付制度 — 欧州4か国のUBI型改革 Ugo Colombino(LISER・University of Turin・IZA), Nizamul Islam(LISER) 自動化やグローバル化で仕事の総数や技能構成が変わると、複雑な所得審査・対象別給付は、所得変動への対応や職業移動を妨げる可能性がある。他方、UBIや負の所得税は単純で普遍的だが、財政負担と労働インセンティブが問題になる。本研究は、現行の税・給付制度を普遍的なルールへ全面的に置き換えたとき、労働市場の需給と政府収支を満たしながら社会厚生を高められるかを4か国で比較した。 058 論文AI・経済米国(数値較正) / 最適課税理論・一般均衡モデル・数値較正 / 2023 ロボットには課税すべきか — 所得税・資本税との最適な組み合わせ Uwe Thuemmel(University of Zurich) 自動化が定型職の賃金を下げ格差を広げるなら、ロボットへの課税で導入を抑え、その税収を再分配すべきだという提案がある。しかしロボット税は生産性を下げ、手作業職と認知職の賃金差には逆方向の影響を与え得る。また、同じ再分配を累進所得税で直接行えるなら、ロボットを特別扱いする必要は小さいかもしれない。本研究は、ロボット、その他設備、建物資本、非線形所得税、非就業者への移転を同時に選ぶ最適課税問題として比較した。