5.1 比較の前提
普遍性による取りこぼし・申請負担・スティグマの軽減と、対象化による再分配集中を比較する。
普遍性は「全員に同じ額を払う」という給付側の性質であり、税を含めた最終的な再分配まで一律になることを意味しない。普遍給付を累進課税で回収する案もあれば、限られた予算を対象給付へ集中する案もある。比較すべきなのは給付額だけでなく、捕捉率、申請・審査負担、誤給付、受給時の尊厳、負担後の分配である。
5.2 到達点の整理
概ね一致
結果が分かれる
未検証
まだ分からないこと
日本では申請しない理由、扶養照会や資産要件の影響、制度間の重複・取りこぼしを同じデータで追える研究が乏しい。普遍的な基礎部分を設ける場合も、高い医療・介護・障害・住宅ニーズを個別給付でどう補うかを同時に設計しなければ、簡素化の便益と保障の十分性を比較できない。
- 日本での捕捉率、制度利用、扶養照会、長期的支持への影響
- 普遍給付を維持しながら個別ニーズへ対応する制度構成
5.3 小括
普遍性は取りこぼしとスティグマを減らし得るが、限られた予算と個別ニーズの間に制度上のトレードオフが残る。
この整理は対象資料と公的統計の範囲に基づく。制度条件が異なる研究を日本へ直接外挿せず、各リンク先の研究方法と限界を合わせて確認する必要がある。
