2.1 比較の前提
主観的幸福、精神健康、身体健康、医療利用、死亡を別の成果として整理する。
所得は健康へ複数の経路で作用する。食事や住居、受診への支出制約を緩める経路、所得不安や制度上の監視を減らす経路、労働時間や家族関係を変える経路である。したがって、幸福感の改善をそのまま医療費削減と読み替えることも、短期の自己申告結果を長期の身体健康へ一般化することもできない。
2.2 到達点の整理
概ね一致
結果が分かれる
未検証
まだ分からないこと
日本では医療・介護保険がすでに大きな現物給付を担う。現金給付が予防や受診を促す効果と、保険料・自己負担・サービス供給への変更を同時に考えた純効果は分かっていない。理論モデル上の医療保険とBIの代替可能性も、疾病リスクやケアニーズが不均一な現実へそのまま移せない。
- 日本の皆保険・介護制度下での医療費、予防、療養、長期健康への純効果
- 医療保険とBIの置換を扱う単純モデルを現実の政策へどう接続するか
- 関連資料:資料53
2.3 小括
所得不足が健康の障壁である場面では改善が起こり得る一方、給付だけで身体的健康や医療費が継続的に改善するとは限らない。
この整理は対象資料と公的統計の範囲に基づく。制度条件が異なる研究を日本へ直接外挿せず、各リンク先の研究方法と限界を合わせて確認する必要がある。
