比較の前提
狭義のUBIと、負の所得税、最低所得保障、児童給付、一時金、基金配当を区別し、以降の7論点を比較する共通軸を定める。
UBIという語は、理念と制度の両方を指して使われる。理念としては生活の基盤、実質的自由、尊厳、交渉力などが語られるが、制度として比較するには、誰に、いくら、どの頻度で、どの単位に払い、所得が増えても減額しないのかを確定しなければならない。名称が同じでも、この仕様が違えば労働・分配・財政への効果は別物になる。
到達点の整理
概ね一致
結果が分かれる
未検証
まだ分からないこと
海外で個人単位に給付しても、日本では税、社会保険、生活保護、扶養、保育料などが世帯や家族関係を参照する。この接続を定義しない限り、同じ給付額でも世帯の手取りと個人の経済的自立は一致しない。また、現金給付一般の研究をどの範囲までUBIの証拠に含めるかは、結論の強さを左右する。
- 日本の個人単位給付と世帯単位の税・社会保障をどう接続するか
- どこまでをUBIの効果として比較可能とみなすか
小括
UBIという名称だけでは制度を比較できない。金額、対象、期間、条件、財源、既存制度との関係を固定して初めて、研究結果を政策案へ接続できる。
この整理は対象資料と公的統計の範囲に基づく。制度条件が異なる研究を日本へ直接外挿せず、各リンク先の研究方法と限界を合わせて確認する必要がある。
